羽島郡医師会会長のあいさつ

令和5年6月
羽島郡医師会 会長 松波 英寿

 令和2年3月頃より新型コロナウイルス感染症が蔓延し、住民の皆様や医療・介護従事者に多大なる不安を引き起こし、雇用の悪化、教育の停滞等社会不安が続いていました。また、羽島郡医師会として、令和2年5月より県内で最初に地域外来・検査センターを岐阜県の委託により稼働させていました。しかし、感染拡大は、第8波を数えようやく終息に向け進み、5月8日には季節性インフルエンザと同等の5類感染症に移行されることと、検査キットの普及により、医療機関等での検査体制が整備されたこともあり、令和5年3月末日をもって地域外来・検査センターは閉鎖とすることとしました。会員の多くの医師、羽島歯科医師会の歯科医師、看護師、事務員の皆様のご協力を頂き、大変感謝しております。今後は「幅広い医療機関による自律的な通常の対応」に移行していく中で、羽島郡医師会としては、引き続き住民の皆様の不安を取り除きつつ、集団接種や診療に会員の先生方の協力のもとあたる所存でございます。
 そして、昨年度と同様に羽島郡医師会が羽島郡等から予算を頂き、地域在宅医療提供体制推進事業を行います。誰でも住み慣れた街に安心して最後まで暮らせるような街作りや素晴らしい社会を構築するため、医療・介護・保健・福祉等の協働で地域在宅医療提供体制推進事業に取り組んでいきたいと考えています。また、人口構成、経済状況、医療システムの変革が今後進むと予想される現状において、羽島郡医師会員がより適切な医業活動が行えるよう環境を整備することが医師会には求められると思います。県医師会との連携を密にとりながら、医師会員が今後も憂いなく医業を行えるよう医師会としては全力を尽くしたいと思います。

会長のイメージ

歴史

 羽島郡医師会は戦後間もない昭和22年に設立され、本年で72年を迎えます。長きにわたり地域医療に貢献してきた団体です。現在羽島郡医師会員であられる山田匡彦先生のご祖父にあたられる山田一彦先生(昭和22年-56年)が初代会長を務められました。その後、大黒甲子郎先生(昭和57年-62年)、松波英一(昭和63年-平成2年)、現医師会員の赤座 壽先生のご尊父であられる赤座奨先生(平成3年-平成8年)、松波英一(平成9年-平成19年)がその職を務め、平成20年より前岐阜県医師会長であられた河合達雄先生のご子息であられる河合潔先生が2期4年(平成20年-平成23年)勤められました。長い歴史とともに、世代交代も進んでいる団体です。

 市町村の再編制に伴い、従来の羽島郡(笠松町、岐南町、柳津町、川島町)から平成16年に川島町が各務原市に、平成18年に柳津町が岐阜市に合併したため、新羽島郡は笠松町、岐南町の2町となり、医師会員数もA会員42名が32名に減少し、その後微増していき現在40名です。B会員C会員を含めると現在、総会員数は145名です。

本年度の役員

会長(代表理事) 松波 英寿松波総合病院理事長
副会長 伊藤 康伊藤内科院長
理事 美濃輪 博英サンライズクリニック理事長
理事 赤座 壽 赤座医院上印食診療所院長
理事 市橋 亮一 総合在宅医療クリニック院長
監事 平田 俊文ひらたクリニック院長
監事 服部 夏樹愛生病院理事長
名誉会長 松波 英一松波総合病院名誉院長
事務顧問 尾関 洋治 
事務職員 尾関 俊治 

本年度の事業計画

  1. 医師会の本来の目的である学術団体としての活動の強化
    勉強会、検討会等の充実、参加会員数の増強、無関心会員の減少化
    時間を短縮し、多くの会員が参加できるリモート会議を昨年度と同様に実施する
  2. 医師会員間のコミュニケーションの向上
    診-診間、病-診間、医療施設-介護施設間 の顔の見える連携、
    地域包括医療センターとの連携、社協への積極的参加
  3. 認知症、うつ病に対する医師会員の対応力強化
    県等の主催の講習会受講の推進、開催
  4. 羽島郡医師会から地域医師会、県医師会への情報発信
  5. それぞれの医療機関の専門分野の強化=経営の安定化
  6. 医師会会員間の親睦強化
  7. 三師会等、関連他業種との親睦強化
  8. 在宅医療の推進
  9. 運動・栄養プログラムの推進

具体的事業

  1. 行政との関係において
    コロナワクチン接種、特定健診、がん検診、予防接種
    休日急病診療、介護認定障害者審査
    笠松競馬場・笠松刑務所への医師派遣、検死・検案
    糖尿病性腎臓病(DKD)・慢性腎臓病(CKD)対策の実施
    地域包括支援センター、社協との防災協議
  2. 羽島郡保健会との関係において
    学校医の派遣、羽島郡学校保健会への協力
  3. 岐阜地域産業保健センターとの関係において
    産業医の斡旋を公平に案内する
  4. 岐阜保健所との関係において
    感染症に係る情報提供への協力、感染症調整会議への参加
  5. 岐阜県または岐阜県医師会との関係
    総合医療情報ネットワークへの参加、医療連携推進事業
  6. 郡医師会主催または共催事業
    定時総会、理事会、生涯教育(羽島郡メディカルセミナー・羽島先端医療を学ぶ会、年4回開催)
  7. 在宅医療の推進
    介護の日フェアの実施
    地域在宅医療連携コーディネーターの設置
  8. 運動・栄養プログラムの推進
    羽島市医師会との協働による運動・栄養プログラムを推進のため、運動・栄養健康セミナー等を実施する

 長い歴史を振り返るに、歴代の役員の方々が中心となり、今日まで会が適切に運営されてきました。しかし、役員だけでは医師会が運営できないのは言うまでもありません。医師会員の皆様におかれましては、前述のような事業計画のもとに、一致団結して地域医療の発展に貢献していきましょう。よろしくご協力ください。